2010年8月9日月曜日

エチオピア編⑦産地の気候風土




先にも触れましたがイエメン、エチオピアでは地溝帯に沿ってアルカリ玄武岩の割れ目噴火が度々起こり、広大な溶岩台地を形成しました。この台地玄武岩の厚みはアビシニア高原下で数百㍍、地溝帯縁辺部では2000 ㍍を超えるといいます。(北部アファールや中南部では多少様相が異なりますが1300~1800 ㍍)、栽培されるコーヒーにとって地層的には西南部カファと東部ハラールは同じ条件であるかのように見えます。が、カファの内陸的気候風土とハラールのそれと
では雨量や風、土壌など大きく異なるのです。資料のように西南部カファでは単峰型で年間雨量は2500 ㍉前後、年間を通じて強い雨が降るため土質の流出が行われ、土壌は酸性度が若干強くなります。東部ハラールでは双峰型で1000 ㍉強の年間雨量しかなく雨期と乾期が2 回あります。アルカリ玄武岩質を保った土壌は中性よりです。  栽培システムで分けるとなると、①フォレスト・コーヒー、② セミ・フォレスト・コーヒー、③ガーデン・コーヒー、④プランテーション・コーヒーの4つのタイプに別れます。①フォレスト・コーヒーはバレ、ウォレガ、ジマなどの地域に産出する森林樹の陰に野生化している、いわゆるワイルド・コーヒーから採取したコーヒーで自ずとその特徴はバラエティにとんでいます。産出量全体にしめる割合は10㌫。②セミ・フォレスト・コーヒーは①の地域に見られる、農家が管理します。適度の日照が受けれるようシェイド・ツリーの枝をはらい、下草をかって収穫につとめます。全体の35㌫。③ガーデン・コーヒーは東部ハラルゲ(ハラール)。南部、シダモ、オモ、ウェロガ、及びグラゲでも栽培されているタイプです。1㌶につき1000 ~1800本の割合で低密度に栽培され、有機肥料などを与え、農家はいろいろの他の作物もつくっています。全体の50㌫をしめます。④プランテーション・コーヒーには国営の大規模や民間の小規模コーヒー農園があり。とくに西南部、南部で水洗式設備を持ち、行き届いた管理のもとに品種改良、苗床や日照管理、剪定や施肥料など、栽培学に基づいた栽培がおこなわれています(イルガーチェフェはその代表格)。しかし全体からみればわずかにすぎません。 これらが産地の特徴となってエチオピアコーヒーのバラエティに富んだ香りと味の世界をつくりだしていたわけです。東部ハラールはコーヒーの栽培地として最適でした。取引でもモカ・コーヒーとして高い評価を受けます。しかしその栽培はイエメンとともに一歩人間に近づけている。気候や栽培法、品種の多様性からみてもアラビカコーヒー発祥の地はエチオピア西南部だと思います。 

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